格付け 銘柄牛一覧表
但馬牛

もともと但馬牛は、日本人が牛肉を食べるようになる百年ほど前まで、 小型で丈夫、そして多産な為、棚田など小面積の水田が多い但馬地方では水田耕作や輸送に利用した役牛として、 大事に育てられてきました。 1310年の書物国牛十図にも資質の優れた牛として書かれています。 明治以降の西洋食文化の浸透、戦後の農作業の機械化の進む中で、但馬地方の黒牛は、肉専用の牛として改良が進められていきました。 日本各地で海外品種や他の系統の牛との交配が積極的に進めらていくなか、但馬牛の純血を保った改良を続けるため、全て優秀な 但馬牛だけを交配に用い、とくに美方郡部で飼育される黒毛和種は他に例をみない特殊な牛となってきたのです。

血統と歴史

江戸時代末期、西日本の各地では格別優れた牛の血統を蔓牛(つるうし)作りが盛んになり、 但馬では有名な蔓牛が作られました。 但馬牛の蔓牛には、あつた蔓、ふき蔓、よし蔓、やぎたに蔓、いなきば蔓の5系統有り、 最も優秀な蔓牛はあつた蔓で別名周助蔓と呼ばれてます。 兵庫県美方郡の農家、前田周助(1798〜1872)が創出した「周助蔓」を祖先にする系統です。 幼い頃から牛を見分ける目があり、苦労して優れたメス牛を集めて交配し、親戚や近隣の人の助けを得て、優れた血統をつくることに成功したそうです。 その品種を維持するためには、他の地域の牛と血が混じらないよう管理することが大変らしく、 現在はあつた蔓、ふき蔓、よし蔓の3系統があります。 但馬牛の畜産農家は、母牛を飼育し出産させて子牛市場で子牛を売る繁殖牧場農家と 買い取ってきた子牛を育てて肉用として売る肥育牧場農家と繁殖、肥育を両立している牧場農家 に分かれています。 神戸、松坂、近江では、そのほとんどが肥育農家です。 その子牛たちの仕込先として特別なブランドとなっているのが、但馬地方産、中でも美方郡産の但馬牛という訳です。 かたくなに伝統と血統を守り抜いた極上牛の但馬牛は、優れた伝統と血統を持つ品種で、その起源は古く、 平安時代に編纂された続日本書紀で耕運、輓用、食用に適すと書され、古来より優秀な血統として認められているようです。 伝統を引き継ぎ、他府県の牛との交配を避けながら改良を重ねた牛が、但馬牛という事ですね。 但馬地方は日本海に接し、1000m級の山に囲まれている山間で、夏は昼と夜の気温差が大きくて夜露が降りるために軟らかい草がよく生えます。 のんびりとこの草をたべ、ミネラルの多い水をたっぷり与えられ、愛情のこもったマッサージを受けて、皮膚皮毛はしだいに柔軟になっていき、 生後6ヶ月位までの仔牛の間に険しい斜面で運動して体を鍛えている為、 各銘柄産地に出荷された後、素質が花開き上質の松坂牛・神戸牛を始めとする全国の高級な銘柄和牛になります。


松阪牛

松坂牛とは全国から優秀な血統の子牛を導入し、松阪牛個体識別管理システムの対象地域で肥育された、未経産の黒毛和種の雌牛を松阪牛と呼んでいます。 その中でも典型的な松阪牛は但馬地方より、生後7ヶ月〜8ヶ月ほどの選び抜いた子牛を仕入れ、 約3年間、農家の手で1頭1頭手塩にかけ、稲わら、大麦、ふすま、大豆粕などを中心に与えながら肥育されます。 特に、牛の食欲増進のために与えるビールや焼酎でのマッサージは有名です。 優れた資質、行き届いた飼養管理によって日本一の肉牛として認められ、味のすばらしさは肉の芸術品として日本全国、そして世界から賞賛されています。

歴史

松坂の農家は牛を農耕用(役牛)として利用し、家族同様にかわいがり、大切に飼育していました。 近江や紀州の農家が但馬生まれの6〜7カ月の雌仔牛を、仕入れてから1年以上肥育した牛を松阪の農家が好んで購入し、 短期間肥育した牛が松阪牛として売り出されたといわれてます。牛は農耕用として3、4年が過ぎると次第に太り、 太牛と呼ばれるものになり、日露戦争の頃には上質の肉牛として売り出されていました。 その後、農家や関係者の努力により、松阪地方の牛は名を高め、昭和10年、東京芝浦市場で開かれた「全国肉用牛畜産博覧会」で最高の名誉を獲得し、 全国に最高級肉牛松阪牛として名声を広めたといわれています。 この当時の定義は 松阪牛肉牛協会が規定したもので「松阪肉牛は黒毛和種雌牛で松阪市を中心とした地域で肥育した優秀種」とあります。 さらに松阪牛共進会の規約の中には「優秀賞に選出される牛は但馬地方産まれの但馬牛に限る」とあるようです。

神戸牛

神戸牛とは神戸肉流通推進協議会の定義には、 神戸肉、神戸ビーフとは、本県産和牛の但馬牛を素牛とし、子牛から肉牛として出荷するまでに当協議会の登録会員(生産者)が肥育し、 本県内の食肉センターに出荷した、未経産牛・去勢牛であり、 枝肉格付等が肉質等級:脂肪交雑のBMS値NO/6以上、歩留等級:A.B等級、枝肉重量:450kg以下に該当するものとすると記されています。

歴史

日本で牛肉が食べられるようになったのは、今から140年ほど前、慶応3年の神戸港の開港がきっかけです。 神戸の外国人居留地に住む外国人たちは、牛肉を食べたくても肉屋が無かったそうです。 その為、牛の解体も自分たちでして、たまたま但馬牛を口にした彼らは、その美味しさに惚れ込んみました。 神戸で食べたうまい牛肉として神戸ビーフと呼ばれるようになって、国際的なものになりました。

近江牛

近代における近江牛の飼育及び販売は、蒲生郡苗村に始まったと言って良い」と言われています。中でも山之上地区(江戸時代の村)では、明治初期に年間数千頭あまりの牛馬が取り引きされていたと言われています。



和牛と国産牛について

国産牛は、日本国内で飼育された全てのどんな種類でも国産牛です。例えば外国で生まれても、日本で育てば国産牛、日本国内で屠殺されれば、国産牛という事です。 和牛は、黒毛和牛、褐色和牛、日本短角種、無角和種である。上記の種を掛け合わせた純粋種以外のものは、和牛とは呼べない。 下の表は、日本の銘柄牛の一覧表である。財団法人日本食肉消費総合センターの銘柄牛肉ハンドブックを参考資料とした。 黒毛和牛褐色和牛日本短角種無角和種不明、その他国産牛は無職。

銘柄牛一覧表

都道府県 銘柄 種類 表示

北海道 生田原高原和牛 黒毛 和牛

いけだ牛 褐毛 和牛

うらほろ牛 褐毛 和牛

えぞ但馬牛 黒毛 和牛

えりも短角牛 短角 和牛

おびら和牛 黒毛 和牛

音更町すずらん和牛 黒毛 和牛

大雪高原牛 ホルス(去勢)  

北見牛 ホルス(去勢)  

鹿追牛 ホルス(去勢)・交雑  

茂野牛 ホルス(去勢)  

しほろ牛 ホルス(去勢)  

白尾牛 黒毛 和牛

宗谷黒牛 交雑(アンガス×黒毛・ホルス×黒毛)  

チクレンフレッシュビーフ ホルス(去勢)  

千歳牛 ホルス(去勢)  

千歳黒牛 交雑ホルス(去勢×黒毛)  

鶴居村アップルビーフ ホルス(雌・未経産)  

Do−beef北海道ビーフ ホルス(去勢)  

十勝産牛肉 ホルス(去勢)  

十勝四季彩牛 交雑ホルス(去勢雌×黒毛雄)  

十勝めむろ牛 アンガス種・交雑(アンガス×黒毛)  

十勝和牛 黒毛 褐毛 和牛

にいかっぷ和牛 黒毛 和牛

野村牛 ホルス  

はこだて大沼牛 ホルス(去勢)・交雑(ホルス×黒毛)  

はこだて和牛 褐毛 和牛

はやきた和牛 黒毛 和牛

びえい牛 交雑(ホルス×黒毛)  

びらとり牛 黒毛 和牛

ふらの和牛 黒毛 和牛

北勝牛 黒毛 和牛

北海道和牛 黒毛 和牛

みついし牛 黒毛 和牛

美夢牛 ホルス(去勢)  

美深牛 ホルス(去勢)  

むかわ和牛 黒毛 和牛

青森県 あおもり倉石牛 黒毛 和牛

あおもり十和田牛 日本短角種 和牛

八甲田牛 日本短角種・短角×黒毛

津軽愛情牛 ホルス(去勢)  

東北国産健康牛 ホルス(去勢)  

あおもり開拓牛 ホルス(去勢)  

津軽ひらか黒牛 交雑ホルス(去勢雌×黒毛雄)  

広域『十和田湖牛』 黒毛 和牛

岩手県 いわていさわ牛 黒毛  和牛

いわて金ヶ崎牛 黒毛  和牛

いわて江刺牛 黒毛  和牛

いわて前沢牛 黒毛  和牛

いわて水沢牛 黒毛  和牛

いわて軽米牛 黒毛  和牛

岩手しわ牛 黒毛  和牛

いわて遠野牛 黒毛  和牛

いわて東和牛 黒毛  和牛

いわてきたかみ牛 黒毛  和牛

いわて西和賀牛 黒毛  和牛

いわて衣川牛 黒毛  和牛

いわて山形村短角牛 日本短角種 和牛

いなにわ短角牛 日本短角種 和牛

いわてあしろ短角和牛 日本短角種 和牛

いわていわいずみ短角和牛 日本短角種 和牛

すみた清流牛 交雑  

いわて黒牛 交雑  

岩手南牛 黒毛 和牛

秋田県 秋田錦牛 黒毛 和牛

三梨牛 黒毛 和牛

秋田牛 黒毛・ホルス(去勢)等

かづの牛 日本短角種 和牛

大湯牛 ホルス(去勢)  

宮城県 石越牛 黒毛 和牛

仙台牛 黒毛 和牛

中田牛 黒毛 和牛

はざま牛 黒毛 和牛

若柳牛 黒毛 和牛

桃生牛 黒毛 和牛

ざおう牛 黒毛・交雑(ホルス×黒毛)

栗駒高原牛 黒毛 和牛

山形県 尾花沢牛 黒毛 和牛

山形牛 黒毛 和牛

米沢牛 黒毛 和牛

福島県 福島牛 黒毛 和牛

白河牛 ホルス(去勢)  

新潟県 越光牛 黒毛 和牛

越後和牛 黒毛 和牛

越後牛 交雑  

ぼくじょうちゃんビーフ 交雑(ホルス×和牛)  

村上牛 黒毛 和牛

茨城県 紬牛 黒毛 和牛

常陸牛 黒毛 和牛

山方牛 交雑(ホルス×黒毛)  

花園牛 黒毛 和牛

柴峰牛 黒毛 和牛

栃木県 宇都宮牛 黒毛(去勢) 和牛

島根和和牛 黒毛 和牛

とちぎ和牛 黒毛 和牛

朝霧高原牛 交雑(ホルス×黒毛)  

白糠牛 ホルス  

那須高原牛 ホルス(去勢)  

那須高原乙女牛 ホルス(雌)  

前日光和牛 黒毛 和牛

とちぎ霜降高原牛 交雑  

とちぎ高原和牛 和牛

群馬県 赤城牛 黒毛・交雑(ホルス×黒毛)

上州牛 全品種

上州和牛 和牛

上州新田牛 黒毛・交雑(ホルス×黒毛)

捧名山麗牛 黒毛・交雑(ホルス×黒毛)

埼玉県 深谷和牛 黒毛 和牛

千葉県 かずさ和牛 黒毛 和牛

そうさ若潮牛 黒毛・交雑

千葉しおさい牛 黒毛・交雑(ホルス×黒毛雄)

八千代ビーフ ホルス(去勢・未経産)  

林牛 黒毛・F1

東京都      

神奈川県 市場発 横浜牛 黒毛 和牛

三浦葉山牛 黒毛 和牛

山梨県 甲州牛 黒毛 和牛

甲州ワインビーフ 交雑(ホルス×黒毛)  

長野県 りんごで育った信州牛 黒毛 和牛

信州肉牛 全品種

信州牛 黒毛 和牛

静岡県 食通の静岡牛 交雑(ホルス×黒毛)  

静岡そだち 黒毛 和牛

静岡和牛 黒毛 和牛

三ケ日牛 ホルス  

ひらい牧場伊豆牛 交雑(ホルス×黒毛)  

あしたか牛 黒毛・交雑

富士朝霧高原朝霧牛 交雑(ホルス×黒毛)  

遠州夢咲牛 黒毛・交雑

石川県 能登牛 黒毛 和牛

福井県 若狭牛 黒毛 和牛

岐阜県 飛騨牛 黒毛 和牛

愛知県 あいち知多牛 交雑  

みかわ牛 黒毛 和牛

三重県 松坂牛 黒毛 和牛

伊賀牛 黒毛 和牛

鈴鹿山麗和牛 黒毛 和牛

北伊勢和牛 黒毛(去勢) 和牛

滋賀県 近江牛 黒毛 和牛

京都府 京都肉 黒毛 和牛

大阪府 大阪ウメビーフ 黒毛・交雑(ホルス×黒毛)

兵庫県 淡路ビーフ 黒毛(但馬牛) 和牛

黒田庄和牛 黒毛(但馬牛) 和牛

神戸ビーフ(神戸肉) 黒毛(但馬牛) 和牛

丹波ささやま肉牛 黒毛 和牛

兵庫県産但馬牛 黒毛(但馬牛) 和牛

三田牛 黒毛(兵庫県産) 和牛

湯村温泉但馬ビーフ 黒毛(但馬牛) 和牛

奈良県 (仮)大和牛  

和歌山県 熊野牛  

鳥取県 鳥取和牛 黒毛 和牛

東伯和牛 黒毛 和牛

美歎牛 ホルス・交雑(ホルス×黒毛)  

鳥取牛 ホルス・交雑(ホルス×黒毛)  

東伯牛 ホルス  

島根牛 しまね牛 黒毛(去勢) 和牛

しまね和牛 黒毛 和牛
ぴゅあゴールド奥出雲島根和牛 黒毛 和牛
岡山県 岡山和牛肉 黒毛 和牛

作州肉 ホルス・交雑(ホルス×黒毛)  

広島県 広島牛 黒毛 和牛

山口牛 皇牛 ホルス・交雑(ホルス×黒毛)

高森牛 ホルス・交雑種(F1)・黒毛

山口県特産無角和牛肉 無角 和牛

徳島県 阿波牛 黒毛 和牛

四国三郎牛 交雑(ジャージ×黒毛)  

香川県 讃岐牛 黒毛 和牛

愛媛県 伊予牛 絹の味 黒毛・ホルス・交雑(ホルス×和牛)

伊予麦酒酒 交雑・ホルス  

高知県 土佐和牛 黒毛 褐毛 和牛

福岡県 築穂牛 黒毛 和牛

福岡和牛 黒毛 褐毛 和牛

糸島牛 交雑  

福岡牛 ホルス・交雑  

小倉牛 黒毛 和牛

佐賀県 佐賀牛 黒毛 和牛

長崎県 ながさき牛 黒毛 褐毛 和牛

ながさき和牛(長崎和牛) 黒毛 褐毛 和牛

熊本県 くまもとあか牛 褐毛 和牛

くまもと黒毛和牛 黒毛 和牛

くまもとの味彩牛 交雑(ホルス×黒毛)  

大分県 豊後牛肉 黒毛 和牛

宮崎県 宮崎牛 黒毛 和牛

鹿児島県 鹿児島黒牛 黒毛 和牛

のざき牛 黒毛(主に去勢) 和牛

沖縄県 琉牛王 黒毛 和牛

石垣牛 黒毛 和牛

山城牛 黒毛 和牛

参考資料:財団法人日本食肉消費総合センター 銘柄牛肉ハンドブック