週末養蜂家のニホンミツバチのおいしいはちみつ

日本蜜蜂(ニホンミツバチ)の分蜂群れ捕獲方法


巣箱を作ったところで、いよいよ群れの入手を目指しましょう。

ニホンミツバチの分蜂と捕獲では、本当に初歩的なことしか書いていませんので、少し細かいところ書こうと思います。

ここで紹介するのは、ニホンミツバチが住むのに適した場所に巣箱を設置しておいて、そこに入居してくれるのをひたすら待つという方法です。

多くの場合は、気づいたらニホンミツバチが巣箱に入っています。運がよければ、入居の瞬間も見られるでしょう。

ニホンミツバチとの駆け引きが、多くの人を魅了しています。

捕まえるのはそう簡単ではありませんが、ぜひチャレンジしてください。


◆分蜂の時期

まず、分蜂のシーズンですが、本格的なシーズンは3月下旬から5月下旬です。

もちろん地域差もありますし、年によって若干違います。

ニホンミツバチのブログや掲示板を見ていれば、様々な地域の人の書き込みから、今どのあたりで分蜂が起こっているのかがわかります。

春がもっとも分蜂しやすい時期ですが、夏ぐらいまで分蜂が起こりますので、チャンスはあります。



◆捕獲の確率はどのくらい?

気になるのは捕獲の確率です。

鉄腕DASHなどのテレビ番組では、あっさりニホンミツバチを捕獲していますが、そんなに簡単ではありません。
しっかり準備しないと、中々捕獲できないです。

父の捕獲確率は、約30%です。

これは、10個の捕獲箱を設置して、そのうちの3つにニホンミツバチの分蜂群が入居するという意味です。

感覚的なものなので、参考程度にしてください。

ただし30%でも、次のような初心者の方よりも有利な条件で達成している数字です。

次の5つを実行しています。

1.蜜蝋を巣箱に塗る。
2.捕獲に適した中古の巣箱を使用する。
3.キンリョウヘンを分蜂の最盛期に開花させる。
4.巣箱を適した場所に設置する。
5.現在飼育している群の近くに巣箱を設置する。


◆1と2について
ニホンミツバチは、一度巣が作られた場所を好みます。なので、ニホンミツバチの蜜蝋を塗ると捕獲の確率が高まるのです。同様に、新しい巣箱よりも古い巣箱のほうが捕獲の確率が高まると言われています。

◆3について
キンリョウヘンは分蜂群の捕獲に大きな効果があります。利用できるかできないかで、大きな違いがあります。

◆4について
毎年いろいろな場所に巣箱を設置すると、適した場所が自然にわかるようになります。毎年たくさんの群を捕まえられる場所もわかってきます。

◆5について
分蜂群は、元の巣から数百メートル以内に新しい巣を作ることが多いそうです。

すでにニホンミツバチを飼育している人は、自分が飼育している群から出てくる分蜂群を捕獲のターゲットにできるので、確率をあげることができます。

この5つを初心者が実行することは少し難しいです。

特に、2、4、5は新たに始める方には難しいと思います。したがって初心者の方の捕獲確率はもっと低いと言えます。

なかなか捕獲できないので、あきらめる方も多いのです。

ニホンミツバチの捕獲には、巣箱1つだけでは不十分と言えます。

捕獲するには、キンリョウヘンの使用や、蜜蝋の塗装などの基本事項を忠実に実行して、たくさん巣箱を設置してください。



◆巣箱の設置場所について

捕獲の成功確率を高めるポイントは、まず適切な場所での巣箱の設置です。

強い風や日光の当たらない、見晴らしのよい場所に巣箱を設置してください。

経験上、よく捕獲できるところが存在するのは明らかです。

毎年同じ場所で捕獲できます。ちなみに、実家では玄関の横のスペースは年間5群程度捕獲できます。




捕獲できた場所は、捕獲に適した場所であると推測できます。

つまり、周囲にたくさん日本蜜蜂の巣があったり、ニホンミツバチの生息に適した場所であったりするのです。

1群から3群程度の分蜂群が発生することから、同じ年に、同じ場所で捕獲できる可能性があります。

捕獲した群は別の場所に移動させ、再び捕獲箱を設置しておきます。

同じ場所で何回もチャレンジするのです。

来年もその場所に巣箱を設置してください。このようにして、日本蜜蜂の好む場所を見つけていけば、捕獲の確率は上昇していきます。



分蜂群は、元の巣から遠く離れた場所に行くことはそれほど多くないようです。

おおよそ数百メートル以内に新しい巣を作る群が多いようです。

ということは、数百メートル以内にニホンミツバチが生息していないと、捕獲の確率が低くなります。

飼育している群がある方は、飼育群から出てくる分蜂群を捕まえることで群を増やしています。

もちろん、厳密にどこから来た群かということはわかりませんが、分蜂群を捕まえる待ち箱を、飼育している群から数十メートルから数百メートル程度の位置に設置する場合が多いようです。

民家やお墓、木の洞に作られた自然巣を見つけておられるなら、そこ場所から数百メートル以内のところに巣箱を設置すると、捕獲の可能性が高くなります。ただ、日本蜜蜂が歩いて引っ越せるような場所ではあまりよくないそうです。

少なくとも10メートル程度は距離を離されるとよいでしょう。


◆用意する巣箱の数について

たくさん巣箱を作りましょう。

巣箱1つでは捕獲の確率は低いです。

また、巣箱を同じ場所に並べて設置するよりは、なるべく離れた場所に設置する方がよいです。

例えば、自宅横の畑と、数百メートル以上離れた友人の家という感じです。

なぜかというと、巣箱の設置個所の近く(数百メートル以内)に日本蜜蜂の群がないかもしれないからです。

また、もしかすると友人のお宅の近くには、自然巣や他の方の飼育群があるかもしれません。

自宅に複数設置する場合も、隣に並べるのではなく、10メートル以上は離して設置するとよいでしょう。


◆蜜蝋を塗りましょう

巣箱が完成したら、ミツバチを誘引するために蜜蝋を塗ります。

蜜蝋は巣の材料です。

蜜蝋がこびり付き、その香りが残っていることは、以前その場所でニホンミツバチが巣を作っていたことを意味します。

どうやら、以前巣を作った場所を好む性質があるようです。

セイヨウミツバチの蜜蝋では塗ってもあまり効果はなく、日本ミツバチの蜜蝋を塗る必要があります。

蜜蝋を塗る箇所や分量についてはいろいろな意見がありますが、父は巣箱の天井部分にのみ蜜蝋を塗っています。

巣箱全体や、巣箱の入り口に塗ると良いなどいろいろ話がありますが、どれが正しいかはよくわかりません。

蜜蝋を塗った木に、巣を作る場所を探す蜂がやってきているのを見ると、蜜蝋を塗ることは捕獲に効果があることは間違いないと思います。


塗り方ですが、ベタベタに塗りすぎると逆効果です。

べったりと塗られていると、新しい巣を作るときに邪魔になるので蜜蜂が嫌がります。蜜蝋は薄く塗れば十分です。

あるサイトでは、お湯に蜜蝋を入れて、溶けて表面に浮いてきた蜜蝋をハケで塗るという方法が紹介されていました。

しかし、この方法では蜜蝋がべったりと塗れてしまいますし、塗り終わった後の鍋やハケの処理が面倒です。

そこで、父は次のような方法を用いて蜜蝋を塗っています。

父は蜜蝋を巣箱に塗るときには、木を薪ストーブの上で熱してから、蜜蝋をこすりつけています。

蜜蝋の融点は65℃ほどですので、木がその温度以上になっていれば蜜蝋がとけていき、木にしみこんでいきます。

もちろん、このくらいの温度では木がこげることはありません。

普通、薪ストーブは家にありませんので、アイロンやドライヤーで代用させるか、バーナーの火で木の表面を加熱するとよいと思います。

予め木を熱しておき、そこに蜜蝋をこすりつけます。

蜜蝋が木の表面で固まってしまった場合は、ドライヤーの温風やバーナーで溶かしていただくとよいでしょう。

間違ってもアイロンで木の表面の蝋を溶かそうとしないでください。






◆金稜辺(キンリョウヘン)を用意しましょう

キンリョウヘンというのは東洋ランの一種ですが、花は地味なため、園芸種としてはそれほど人気がないようです。

しかし、キンリョウヘンの効果は絶大で、その威力は目を見張るものがあります。

ニホンミツバチが生息している場所で、分蜂時期にキンリョウヘンをおいておくと10分もすればニホンミツバチがやって来ることも少なくありません。

金稜辺の香りが、ニホンミツバチを引き寄せるのです。

ちなみに、セイヨウミツバチは誘引されません。不思議な花ですね。捕獲用巣箱のすぐ横や、上に、キンリョウヘンを置いておくと効果的です。


ここで注意ですが、キンリョウヘンは分蜂の時期に花を咲かすことが必要です。

数千円から五千円も払ってキンリョウヘンを買ったものの、うまく育てることができず、花を咲かすことができない方はたくさんおられます。

また、分蜂の時期を過ぎたころに花が咲いてしまって、本来の効果を得られない方もおられます。

まず、花を適切な時期に咲かせるためにはランの栽培知識が必要です。

キンリョウヘンの栽培には、シンビジウムの栽培方法を参考にするといいようです。

ランの知識がない場合は、ランの栽培の上手な人と知り合いになって、直接指導してもらうことが一番効率的だと思います。  

また屋外で育てていては、花が咲いても、多くの地域では分蜂の時期の終わり頃、または終ってから花が咲いてしまうと思います。

特に寒冷地では、屋外での栽培は難しいようです。



◆金稜辺(キンリョウヘン)には網を被せてください。

さきほどの写真ではキンリョウヘンに網を被せていません。

しかし、網がないとたくさんのニホンミツバチが集まって、熱でキンリョウヘンがシワシワになってしまいます。

長く使うために、網をかけることが重要です。

次の動画のように、キンリョウヘンには網を被せてください。





◆探索蜂とは?

「巣箱の中に、砂糖水を置いておいたら、日本蜜蜂がたくさんよってきた。これを捕獲することはできないの?」というような質問を多数いただくようになりました。

エサを探す働き蜂と新しい住みかを探す探索蜂の区別がついていない方が多数いるようです。

両者を見た目で判断することはできません。

見分け方は1つです。探索蜂は捕獲箱を出入りし、内部をチェックします。エサを探す働き蜂は、普通このような行動はとりません。(巣箱の中に砂糖水を置いておけば別ですが。)

例えば、探索蜂はキンリョウヘンの隣に置かれた巣箱の中に入って中を確かめる行動をします。

いくら砂糖水で日本蜜蜂を帯び寄せても、ただエサを集めに来ただけなので、意味はあまりありません。詳しいことは私もよくわからないのですが、金稜辺がすごい効果を発揮するのは、日本蜜蜂を呼び寄せるフェロモンを発しているからです。  

金稜辺も、砂糖水も日本蜜蜂を呼び寄せますが、その仕組みはまったく異なるのです。捕獲の確率を上げたいなら、砂糖水ではなく金稜辺を用いて、できるだけたくさんの巣箱を設置するのが近道です。

キンリョウヘンに引き寄せられた探索蜂が、巣箱の中を出入りする様子を撮影しました。




探索蜂は、この動画のように巣箱の中を出入りする行動を繰り返します。

多数の探索蜂が頻繁に出入りすることもあり、初心者の方はもう中にニホンミツバチが住んでいると勘違いすることもあるほどです。

この場所に決定すれば、あとで大群がやってきます。巣箱に探索蜂が出入りするようになれば、期待大です。




ニホンミツバチの捕獲に必要な蜜蝋や、中古の巣箱を販売しています。詳しくはショップをご覧ください。

また、蜜蝋や巣箱を購入していただいた方に差し上げているPDFファイル「養蜂指南書」では、さらに詳しい捕獲方法を紹介しています。


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このホームページの説明

このHPでは、趣味で日本蜜蜂を飼育する「週末養蜂」を提案しています。

京都府丹波地方の山奥の実家で、私の父が趣味ニホンミツバチを飼育し、在来種の保護活動を行っています。

ニホンミツバチの飼育の様子を、飼育している環境を含めて紹介しています。

これからニホンミツバチを飼育してみたい方や、ニホンミツバチのはちみつに興味のある方はぜひご覧になってください。



感想等は掲示板へお願いします。




ニホンミツバチの飼育に必要な蜜蝋巣箱も販売しています。


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購入は、週末養蜂家のニホンミツバチショップから。

・日本蜜蜂の蜜蝋


日本蜜蜂の捕獲に必須です。
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日本蜜蜂のはちみつの絞りカス


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・日本蜜蜂の巣箱


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ニホンミツバチのはちみつは、アルモニさんに販売を委託しています。

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実家で採れた日本蜜蜂のはちみつと蜜蝋を使って、商品開発を行っていただいています。

詳しくは、コラボレーションをご覧になってください。

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父の友人の和菓子職人が、ニホンミツバチのはちみつを使った和菓子を作りました。

はちみつはもちろん父が採取したものを使用しています。

まゆだまはちみつレモンくずきりの2つがあります。

写真は、はちみつレモンくずきりのものです。


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大変貴重なニホンミツバチの蜜蝋と、若狭地方(福井県)産の高級椿油の2つからできた安心、安全のリップクリームです。

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【第一位】


ニホンミツバチ―北限のApis cerana

インターネットではなかなか見ることのできない質の高い写真が多数紹介されています。図鑑のような書籍です。

飼育に関する記述はやや少ないです。


【第二位】



日本ミツバチ―在来種養蜂の実際 (新特産シリーズ)

巣箱の種類や飼育方法について幅広く触れており、とても参考になる書籍です。



【第三位】



我が家にミツバチがやって来た―ゼロから始めるニホンミツバチ養蜂家への道


重箱式巣箱を用いた飼育法について詳しく書かれています。

重箱式以外の巣箱について記述がないため、三位としました。