PTA法(ドッサリース農法)



   PTA法・光合成移転農法(炭素肥料、エネルギー肥料・光合成リサイクル) 


最新更新日2011年2月27日:2008年9月22日の開設:あなたはCounter人目の訪問者です。サイト情報は末尾です。

私たちは、耕地の生産性を倍増できる簡単な方法を見落としていました。吸収によって有機物を補給すれば、作物は簡単に猛烈に育ちます。その原料は家畜糞尿や食品残渣です。低分子量有機物とすれば、作物はいとも簡単に吸収、同化します。品目によっては収量は倍増以上にもなっています。


光合成移転農法の概要

光合成移転農法:PTA法:PhotosynthesisTransferAgricultural Theory


key mark

炭素肥料・光合成リサイクル・光合成バイパスというPTA法の全てはこの図で示されています。


1) 植物には、口が2つあった。 「光合成」と「吸収」: 有史以来、吸収の口は誰もが見過ごしていた。

      光合成・・・誰もが知っている。 今、食糧生産の100%を担っている。勝手気侭な「風鈴」。

              どの文献を見ても、作物の生長は「光合成」としか書いていない。世界中。

      ■吸収・・・・誰も知らない。 今、貢献度は「0%」。打った分だけ確実に鳴る「釣鐘」。光合成以上に能力がある。

              有機物は光合成の名残。有機物の吸収は過去の光合成の獲得。

2)光合成は、新しい有機物を作る「新築係」、吸収は有機物を吸収する「リサイクル係」

      ■吸収は、古い有機物を再利用する「リサイクル」の口。

      PTA理論は、光合成の口に、吸収の口を付加する新しい栽培理論。


3)光合成の能力は今が限界。吸収は別ルートで、リサイクル品を加算する。

      吸収の口は根にあり、光合成とは無関係に有機物を吸収する。光合成以上に有機炭素を獲得できる。

      当てにならない光合成に、施肥した分だけ生長に繋がる「炭素肥料の吸収」は農業に安定性をもたらす。


4)吸収可能な有機物は低分子量有機物のみ。「与えていなかった」「与えていないから吸収もできない」

      ■吸収は、有機物が細胞膜を透過する。非荷電、低分子量(MW<200?)、水溶性等。

      堆肥のように、水に溶けずに形を維持するものは、吸収されない。闇雲に、農地に撒けばよいというものではない。


5)目に見える有機物は低分子量化すれば、全て作物に付加できる。有り余る食糧原料が現存している。

      簡単な方法は糞尿や食品滓の生石灰分解。殺菌と同時に炭素肥料が生産される。都合がよい。

      蛋白質、核酸、有機酸などが効率よく作物組織として付加され、食糧の増産に直結する。

      腐って消えていた有機物が、炭素肥料として固定され、貯蔵され、蓄積され、高効率で食糧に転換される。


6)美味しさ(ブドウ糖濃度の高さ)が、生長を増進していた。豊作と美味しさは同時。ワインの伝説通り。

      ブドウ糖濃度の高さが、ATPの濃度を高め、ATP濃度の高さが代謝を促進する。豊作の裏にはブドウ糖濃度の高さがある。

      有機物の吸収は、ブドウ糖の消費を軽減し、ブドウ糖濃度の低下を抑制する。炭素肥料は、常にブドウ糖濃度を高める。


7)今の農地の生産量は、倍増できる。しかも、美味しさが伴う。農地面積は半分でよい。

      吸収を活用すれば、収穫量は飛躍的に増大する。ただ消え去っていた有機物が、作物に加算される。

      世界平均で一人500uの余剰耕地が予測される。食と再生可能エネルギーとを手にすることができる。


PTA理論は、いままで従属栄養植物だけのものだった「有機物の吸収」の回路へ、人間社会全体が移行することを示唆している。

そして、生態系、植物、農業、食糧、環境、経済等の分野で、基礎的な事柄の全面的な書き換え、見直し、再構築を迫るものです。


keyword

炭素肥料―有機物―過去の光合成―家畜糞尿・食品残渣―有機廃物―処理が必要な困りもの―低分子量化で殺菌―低分子量化で炭素肥料生成―不用な有機物を炭素肥料として固定―蓄積―未来の食糧―光合成メカニズムをバイパスした有機物獲得―ヘスの法則―ATP−光合成のリサイクル―近未来の気象が支配する収量―予め準備できる収量―微分型産業―積分型産業

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1.光合成移転農法(PTA法)の概要

光合成移転農法(PTA法)は、ある種の有機物が植物に吸収されて同化される現象に着目し、これを「炭素肥料」「光合成リサイクル」と考えて栽培を進める新しい農業の見方です。

植物は光合成によって新たな有機物を生産して生長するばかりでなく、過去の光合成の産物である有機物を吸収し、リサイクルとして再利用することで生育を助勢する機能を持っていると解されます。

完全に、見落としていた「有機物の吸収」リサイクルの回路を活用することで、私たちは、今の耕地で食糧を安定的に倍増以上の増産を可能とする見込みが生まれました。しかも、この上もなく美味しい作物となることが期待されます。

驚くべきことに、PTA法が示唆する新しい自然観は、「予測」ではなく、実際に営まれている現実を科学的に紐解いて想到した新しい自然観であり、一部で現実に営まれている事実を、全体に広げただけにすぎません。

[家畜糞尿に生石灰を添加し、10分ほど攪拌すると完全殺菌され]、[通風乾燥して固体粉末したものを土壌改良材として、ほぼ全品目に利用すると]、[収量の大幅増加、食味の向上、連作障害の抑制、老木の若返り等何らかの効果があり]、[その経済効果は、糞尿処理費を遥かに上回り、結果的に糞尿の完全殺菌は経済的な負担がなく]、[開発されてから30年も経過した今日では、数千haに広がり、殆どの品目で利用されている]、という、余りにも都合のよい現実を解釈したものがPTA法です。


植物には、2つの口がありました。「光合成」と「吸収」です。誰もが知っていることです。しかし、誰もが「光合成だけで生長する」と信じています。子供から大人まで、例外なく文献にはそのように書いています。ところが、「有機物の吸収」は、手当てすれば光合成に匹敵する有機炭素を獲得できます。光合成は、人が手助けする部分はほとんどありません。しかし「有機物の吸収」は人の手当てでのみ機能が働きます。努力のし甲斐のある機能です。完全に見落としていた「吸収」の口を呼び起こすことで、収量は激増します。


植物の有機炭素を獲得する経路【C:】として次のような見方をします。

■ 【C:慣行農法】 =【A:光合成】              ・・・式(1)

 【C:PTA法】  =【A:光合成】【B:有機物の吸収】 ・・・式(2)

これまで、上記式(1)に示すように、植物が有機炭素を獲得する経路として、光合成のみを想定していました。

しかし、植物は光合成の他に「有機物の吸収」によって有機炭素を獲得することができます。即ち、式(2)です。

PTA法が、特別に植物に対して【B:有機物の吸収】項を付与したわけではなく、植物が本来有していた性質です。

そして、式(2)において【B:有機物の吸収=0】としたときに、慣行農法の式(1)になります。

即ち、式(2)に示すPTA法の考え方が、一般式といえます。以後、式(2)に基づいてPTA法の自然観を概観します。

このPTA法の式(2)は、植物が生長するために有機炭素を獲得する手段として「光合成」「吸収」との2つの手段があり、そして、その部位は「葉」「根」とに分かれています。

PTA法は、従来利用されていなかった「根における有機炭素の吸収(およびその後の同化)」を活用する栽培です。

更に、有機物の有機炭素は、昔の光合成によって炭酸ガスが有機炭素となったものであり、有機物の有機炭素は、「過去の光合成産物」に他なりません。このため、【B:有機物の吸収】とは光合成産物のリサイクルと言い換えることもできます。

【A:光合成】は、日中だけ推進される有機炭素の獲得手段です。暗反応があるにしても、暗闇だけでは、光合成は進行しません。

他方、【B:有機物の吸収】は、水分の吸収と共に推進される物質吸収です。このため、単に、吸収されやすい有機物を炭素肥料として施肥するばかりでなく、活発な水分吸収が有機物の吸収を促進するので、適宜、灌水したり、施設栽培では湿度を下げる配慮が必要となります。即ち、植物の水分吸収は、蒸散と密接な関係があり、蒸散にも気配りが必要です。

今まで強く認識されていない有機物の吸収による有機炭素の獲得は、極めて大きいものがあり、作物の収量を大幅に高め、また、収穫の気象変動を圧縮するばかりでなく、美味しさを増進するものと考えられ、また、炭素肥料として用いられる低分子量有機炭素化合物は、家畜糞尿や食品加工に伴って発生する動植物残渣を殺菌分解した時に生じる処理残渣がそのまま用いることができることもあり、環境保全の結果として生成されるため、全体として極めて有益なものとなります。

 【C:作用】=【A:炭酸同化作用】【B:有機物の吸収】 ・・・式(3)

式(3)は、一般式です。PTA法も慣行農法も区別がありません。但し、【B=0】とすれば、慣行農法です。式(3)は、【A】【B】の作用だけを取り上げました。

炭酸同化作用は、有機物を生み出す作用です。

他方、有機物の吸収は、有機物を生み出さず、既に存在している有機物を、吸収して再利用する作用です。

 【C:炭素原料】=【A:炭酸ガスCO2】【B:有機物・炭素肥料・organic・LMWOC】 ・・・式(4)

式(4)は、炭素原料を表示したものです。光合成の原料は炭酸ガスです。

有機物として吸収されるものは、所謂、炭素肥料ですが、低分子量有機化合物(Low Molecular Weight Organic Compound= LMWOC)です。

 【C:光合成として見れば】=【A:新規の光合成】【B:光合成産物のリサイクル】 ・・・式(5)

農地の作物で行われる光合成は、新たに有機炭素を生み出すことです。しかし、有機物の吸収は、過去の光合成で生まれた有機炭素を再び作物に取り入れる、「光合成のリサイクル」他なりません。

即ち、それぞれのもつ意味は【A:新品の製造】【B:リサイクル品】ということもできます。

私たちは、これまで作物については、新品の製造だけを考えていたことになります。

勿論、糞尿の有機炭素をリサイクルして食糧を生産することには聊か心理的な葛藤がない訳ではありません。

 【C:部位】=【A:葉・葉緑体】【B:根】 ・・・式(6)

式(6)は、どの部位が主な場所かを示すものです。光合成は、葉の葉緑体で、有機物の吸収は根です。

 【C:牽引力】=【A:日照】【B:水分吸収】 ・・・式(7)

式(7)は、それぞれの作用が、何によって突き動かされるかを示しています。光合成は日照です。有機物の吸収は、水分吸収です。勿論、水分吸収の背景には「蒸散」があることは言うまでもありません。更には、乾燥した大気が蒸散を促します。風や湿度も影響するでしょう。

 【C:牽引力】=【A:日照・CO2濃度】【B:水分吸収・炭素肥料濃度】 ・・・式(7’)

式(7)を、式(7’)と書き換えて、成分の濃度を加えることもできます。一つ一つの要素の相互関係が理解できるのであれば、どのように表現しても構いません。ここに示す関係式は、いろいろな角度からのものの見方を例示し、其々が理解しやすいものの見方があれば、それに基づいて自然の成り立ちを概観していただくためのものです。

 【C:時間帯】=【A:昼】【B:一日中】 ・・・式(8)

光合成は、昼間だけのものであり、水分吸収・蒸散は時間にとらわれません。

 【C:事前の準備】=【A:できない。天気任せ】【B:できる。炭素肥料は事前に準備する】 ・・・式(9)

光合成と有機物の吸収との大きな違いは、光合成が天気任せで全く人為的な助勢ができないことに対して、有機物の吸収は、事前に準備することが原則となっている点です。

しかも、その有機物の吸収のための炭素肥料は、耕地とは別の、栽培期間とは別の、独立した場所と時間で、四六時中製造することができます。

作物の生育は、「今」という現在進行形の状態に拘束され、予知できない近未来の自然の気象に支配された、余りにもひ弱な生業です。しかし、そのひ弱な生業によって全人類の生命が委ねられています。

PTA法は、作物の生育の如何を、事前に準備し、成果に加えることを可能としました。

 【C:量】=【A:一定の限界・標準収量】【B:膨大な有機物が存在する】 ・・・式(10)

植物の光合成による生産量は限りがあり、しかも、その量はかなり少ない。勿論、今の其々の地域における標準的な収量がその値と言えます。しかし、炭素肥料の原料として存在する有機物の量は膨大であり、それぞれの努力如何では、大量に準備できます。

 【C:時】=【A:今・近未来・刹那・微分的】【B:確定した膨大な過去】 ・・・式(11)

作物の生育は、「今」という時に支配されます。そして、栽培を進める耕種農業は、確定していない近未来を予測して行われます。極めて不安定で、かつ、その生産量は一定の限界に抑制されている生業です。

他方、PTA法が提案する有機物の吸収は、膨大な過去の光合成の名残とも言える有機物を予め低分子量化して炭素肥料として準備し、そして、圃場施用するものであり、量的にも膨大なものがあると共に、炭素肥料の施肥量を人為的に操作することができ、言うなれば成果(収穫)に対して「定数」のような位置づけにあります。勿論、完全な定数という訳ではありませんが。また、炭素肥料に関しても、従来は意味もなく失われていた有機物を、炭素肥料として固定し、保存し、蓄積できるものです。積分的、定数的な農業と言えます。

 【C:時の幅】=【A:刹那・微分的】【B:過去の積分】 ・・・式(12)

光合成は、光が照射している「今」の営みです。まさに、瞬間です。

有機物の吸収である炭素肥料は過去の長い期間の積分した期間の有機物が原料の対象となります。さらに、低分子量化した炭素肥料は、有機炭素を極めて安定した状態に固定し、長期間保存可能としているため、時の長さとしては、過去の積分になります。

 【C:地域】=【A:圃場・作物の葉】【B:原料としては地球全域・圃場】 ・・・式(13)

作物が、光合成によって有機炭素を獲得する場は、耕地に限定されます。その耕地おいて栽培されている作物に対する日照が照射する部分において光合成が営まれます。

他方、有機物の吸収となる有機物原料は地球全体の光合成の産物が原料の対象となり、地球全体のいずれかの地域で生産された炭素肥料が、圃場において炭素肥料として利用することができます。有機物の吸収における地域性は、耕地から離れ、地球全体に及びます。

 【C:種】=【A:圃場・栽培種】【B:生命体全部】 ・・・式(14)

光合成の営みは、当該植物の生育のみを助勢します。

他方、有機物の吸収である炭素肥料は、どのような種であっても有機物でありさえすれば、炭素肥料として調製できる可能性があり、種を超えてリサイクルできます。

 【C:貯蔵性】=【A:ない】【B:炭素肥料は、原則として長期間保存できる】 ・・・式(15)

光合成は、その瞬間の営みです。その瞬間の光を利用しなければ、光は過ぎ去ってしまいます。豊かな日照であっても、原野に降り注ぐ日照は、私たちに食糧をもたらしてはくれません。その瞬間に失われてしまう光です。光ばかりでなく、暖かい空気、適度な水分、穏やかな風、そのような豊かな自然も、「今」「耕地」という栽培中の作物以外に齎されるものは、私たちは利用できません。

しかし、炭素肥料は、地球全体の光合成の営み、地球全体の生物の営みを炭素肥料として固定し、栽培に利用するまで保存可能とし、蓄積し、そして、高効率で作物に有機物を供給します。これは、多くの場合、有機廃物、汚物として忌み嫌われ、環境を汚染し、そして、有益なことを為すことなく消滅していた有機物です。PTA法は、このような有機物を炭素肥料として固定し、未来へ引き渡す役割を果たします。

式(1)〜式(15)では、PTA法の全てを表現できません。

「美味しくなること」は誘導できません。

また、「品目によっては収量が倍増以上にもなる」という過激な現実も表現できません。

しかし、植物が光合成の他に「有機物の吸収」という新しい生長のエンジンを手にしたことは理解できると思います。

これまで光合成という一つの手段しかなかった生長のエンジンが、2つに増えたことになります。

そして、「有機物の吸収」というエンジンは、人の努力で大幅に加勢できる特徴を持ちます。

光合成は好天を祈願するしか術はありません。「有機物の吸収」は、いくらでも人が努力して、効果を増強できます。

ともすれば、天候に身を任せるしかない耕種農業に、PTA法は堅実で実効性の高い道具を与えました。


PTA法は、過去の光合成が今と未来へ加算されることでもあり、顧みられなかった過去が生き生きと蘇ります。

炭素肥料には、COHの3元素が含まれ、必須養分元素の全てによる生態系の姿が浮かび上がります。

更に、炭素肥料にはエネルギーが含まれ、エネルギー肥料とも言いかえることができます。

PTA法は、質量保存則およびエネルギー保存則という誰もが逃れることができない自然の理に準じた所作を目指します。

また、PTA法に立脚すれば、作物の生育の増進と美味しさとは一体不可分なものであったことが浮かび上がります。ブドウ糖の濃度の高さがATP濃度を高く維持し、高いATP濃度が活発な代謝を促し、作物を大きく育てます。即ち、美味しさの背景にはブドウ糖濃度が高い状態があったと思われます。

炭素肥料の吸収は、少ない代謝エネルギーで生育が進むため、ATPひいてはブドウ糖の消耗が少なく、常に高濃度状態が維持され、生育を促すとともに、食味の良い作物になります。

これまでの耕種農業は、予期できない近未来と今の自然条件に支配された不安定なものでした。しかし、PTA法では、予め炭素肥料を準備することで、耕種農業に安定性を付加できることになります。微分的農業経営が、過去を積分して今と未来に加算する積分的な農業経営となります。

PTA法は、膨大な過去の光合成産物を炭素肥料として固定し、保存して、無駄なく今と未来の作物に加算するものです。

耕地の生産性は、炭素肥料によって大幅に増大し、しかも、収穫される作物は美味しさが増し、さらに、生育の安定性が増します。

農産物の生産性向上は、大幅な余剰耕地を生み出し、その面積であれば再生可能エネルギーの生産も有意なものといえます。

PTA法(光合成移転農法)は、光合成が過去から現在・未来へと無駄なく活用され、膨大な過去が今と未来へ時空と種を超えて移動する斬新な自然観を提案します。

PTA法に立脚して自然の理を見れば、今考えられる人間らしい文明社会を持続可能なものとすることも十分視野に入ります。

PTA法は、地球上の幅広い地域で、食と再生可能エネルギーとの双方が高い割合で自給できることを可能にし、其々の地域が自らの地域を整えることこそが、人々の暮らしに安寧をもたらすといえます。

PTA法は、「家畜糞尿を生石灰で殺菌分解した残渣を圃場還元すると、殆どの品目で増収、食味の向上、連作障害抑制、老木若返り等の効果で、処理経費以上の利得をもたらしている」という信じがたい現実が長く続いている事案を、合理的に解釈する術として「低分子量有機物が作物に吸収・同化して炭素肥料のように振舞う」と想到した、一つの自然観です。

PTA法の見方によって想起される事柄は、既に現実に生じている事柄が大半であり、その意味では信頼性の高いものの見方とえいます。

PTA法は、光合成の機作をバイパスする経路で有機炭素を獲得するものであり、日照が少ない状況の下でも生育を促進できる可能性を秘めています。

PTA法に立脚すれば、家畜糞尿、雑草、生ごみ、食品残渣等として、どちらかといえば「有機廃物」と考えられていた有機物は、低分子量化すれば炭素肥料として有機物のまま作物の生育に付加できます。

PTA法は、地球上の膨大な光合成の営みの全てを、ヒトの生息のために集約する基本的な作法を提案するものです。


ローマクラブが、持続可能な文明への警鐘を打ち鳴らして久しくなります。しかし、その警鐘に応えることなく、世界中が妄信的に私利私欲に突き動かされ、文明のクラッシュに向けてアクセルをより深く踏み続けて今日に至っています。

世界中の経済が低迷し、現金が溢れている現実はある意味正しい所作かもしれません。資源の枯渇が懸念される状況の下で、闇雲に活動を拡大することは明らかに、文明の命脈を短めるもの以外の何物でもありません。

困窮する世界経済で、現金が停滞して溢れていることは、世界にリーダーが不在なことを意味しています。

PAT法は、世界中のどの地域であっても、食糧を豊富に、安価に、美味しく、安定したものにし、同時に、環境を保全します。それは誰もが否定できない安寧な未来の一つの姿です。

より多くの人に、考えて貰いたい事柄です。日々の食事が美味しくなり、誰にとってもうれしいことです。



PTA法は、生態系の基盤にある「光合成」についてのリサイクルでもあり、生態系・社会基盤の根底にかかわり、劇的な影響を及ぼすために、関係する分野は多方面に及びます。

このため、当サイトは、農業、生態系、畜産、環境、公衆衛生、健康、生活、調理、食物栄養、エネルギー、国土利用、利水等というように百科事典以外ではおよそ考えられないほどの広がりをもつものとなっています。

このトップページには、簡単に、その興味深いものの見方を簡単に紹介します。別に、其々の詳細を記します。



 【2つのルート:光合成と吸収】

    植物の有機炭素の獲得 = [A:光合成] + [B:有機物の吸収]

植物が、有機炭素を獲得する機作は[A:光合成][B:有機物の吸収]との2つの経路があります。

従来、後者の[B:有機物の吸収]の機作はほとんど考慮されていません。

PTA法は、[B:有機物の吸収]を大袈裟に「炭素肥料」考えて、新しい生態系、農業を組み立てたものです。

従来の慣行農法は、[B=0]の状態に他なりません。

 【炭素肥料】

NPK化学肥料は、主要肥料としてよく知られています。しかし、NPK化学肥料の施用は今のままで、PTA法は「炭素肥料」が量・金額などで、その3〜10倍もの追加の使用となり、肥料の主役となります。PTA法では、従来のNPKの肥料は削減されません。従来通り必要です。何故なら、炭素肥料は有機炭素(併せてOH)の元素を補給するものであり、NPK等の必須養分元素は従来通り必要であり続けます。

 【炭素肥料=低分子量有機物=エネルギー肥料】

炭素肥料は、作物の細胞膜を濃度拡散で透過できる低分子量有機物であり、元素としての炭素・水素・酸素等を供給すると共に、生理的熱量(food energy)を作物に与えます。

「エネルギー肥料」は、PTA法が初めて提案する概念です。

糞尿も雑草も生ごみも食品残渣も、その有機炭素を細胞膜が透過できる分子状態に誘導できれば、それは作物と等価であり、驚くなかれ、食品と等価なります。生理的熱量でいえば、糞尿も食材も人体も等価交換できます。

 【エネルギー肥料の別の側面】

ダイエット、栄養管理では、違う食材でも食べることで、消費段階では熱量は等価になります。バナナも御飯も同じです。バナナと御飯の熱量は独立していますが、消費の段階で、等価になります。それは誰でも知っています。

他方、「炭素肥料=エネルギー肥料」という新しい概念は、エネルギー肥料がもつ生理的エネルギーは、様々な作物に対して「等価で生長を付加できる」という、生産段階におけるエネルギーの等価性です。

これは、当該作物全体に対するエネルギーの付与であり、「可食部」に限定されません。

しかし、炭素肥料の可能性をハッキリ認識できます。

私たちの周囲には、未利用で、消滅している有機物が大量に存在し、その炭素肥料に転換できる量は多く、栽培中の作物にそれらが加算された時、耕地の生産性は飛躍的に上昇します。。

「消費における生理的熱量の等価性」の対極にある「生産における生理的熱量の等価性」がPTA法によってハッキリと浮かび上がります。

 【光合成リサイクル】

さまざまなリサイクルが知られています。しかし、「光合成のリサイクル」は類例を見ません。炭素肥料は、低分子量有機物を主成分とし、有機物は過去の光合成産物です。

炭素肥料は、過去の光合成産物のリサイクルです。

 【光合成メカニズムのバイパス】

植物が有機炭素を得るには、「光合成」と「有機物の吸収」との2つの手段があります。光合成は、新鮮な太陽光のエネルギーを化学エネルギーに固定する作業です。有機物の吸収は、光合成のメカニズムをバイパスして、有機物をそのまま獲得する斬新な経路です。

 【不安定な光合成:微分型農業へ積分型農業の付加】

耕種農業は、予測できない未来の自然条件に左右されます。しかし、炭素肥料は予め準備し、備えることができます。PTA法は、気象変動に左右され、不安定な農業に、過去を固定し、貯蔵し、それを未来の栽培に加算する安定した農業を実現します。

 【大地の太陽:高緯度・低日照の改善】

天空の太陽は、高緯度地方で照度が低く、また、曇りがちな地域では日照は少なく、光合成に差が生じます。

炭素肥料は、大地の太陽とも言えるものであり、日照の少ない地域に大地から有機物を供給ます。

 【美味しさを作り出す】

美味しくなければ、食糧として価値を持ちません。しかし、美味しさを生み出す所作が判りません。しかし、炭素肥料で美味しさを生み出す所作が見えてきました。

ブドウ糖濃度の高さが、ATP(アデノシン―3−リン酸:全ての生物に共通のエネルギー通貨)の濃度を高め、ATPの高濃度が代謝を促進させます。活発な代謝は生育の増進となります。育ちがよい作物の背景にはブドウ糖の高濃度状態があります。

炭素肥料の吸収・同化は、少ない代謝エネルギーで推進され、ATP・ブドウ糖の消費が少なく、常にATP・ブドウ糖の高濃度状態が維持され、作物を旺盛に生長させる力が働いています。

旺盛な生長と美味しさとは一体不可分であり、PTA法は炭素肥料を利用するため増収と美味しさが同時に達成されやすいと思われます。

 【過去の固定と保存:未来は豊かさを増す】

炭素肥料は、過去の光合成を固定し、貯蔵し、無駄なく未来の光合成に付加します。

炭素肥料によって、未来は益々豊かなものとなります。

 【PTA法では、光合成が時空と種を駆け巡る】

炭素肥料は、[:過去の光合成の名残の全て]・[:地球上の全ての地域]・[:全ての生命体]の有機炭素を今と未来の耕地の作物へ付加する試みです。

生態系の原動力となっている光合成の全てを、時空種を超えて、未来の繁栄に導きます。

 【合理的な思考のために:food energy と工学エネルギーでは桁違いの経済性】

PTA法は、生理的熱量の等価性をクローズアップしました。エネルギーは「生理的熱量」と「工学的熱量」では経済的価値が大きく異なり、food energy であれば、food energyのまま活用することが最も経済性に優れていることがハッキリします。

巷間、food energy に思いを馳せない所作が、数多く見られます。リサイクルは、微かな可能性に一縷の望みを託すものであり、桁違いの無駄を許容する余裕はありません。

● 【食とエネルギーとの地場生産】

炭素肥料は、耕地の生産性を飛躍的に高めます。そして、広大な余剰耕地を生み出します。一人1,000〜4,000uの耕地の農産物によって支えられています。生産性の倍増は、広大な余剰地を生み出します。

効率が低いとされる太陽光発電でも、今の石油に等しいエネルギー生産が視野に入ります。世界中の幅広い地域で、「食」と「エネルギー」とを地場生産できる可能性が高まります。



2.PTA法は、現在進行形の「今」の農耕に、過去を加える所作

PTA法は過去と今の光合成を「未来」へ誘うことでもあります。

光合成が、時・空・種を乗り越えて、今と未来を支えます。

作物の生産は、現在進行形の光合成の営みです。

収穫という成果を求めて、今の光合成によって作物は生長し続けます。

品目・場所・面積・日照・気温・降雨等は全て現在進行形の「今」のものに限定されます。

今日の農耕は、全て「今」という現在進行形の事象の制限を受けています。

あまりにも当たり前で、回避する術もないために、考えることすらしないことです。

作物の生長には、今の日照、今の太陽が不可欠です。


しかし、過去を活用する術はないのでしょうか?

炭素肥料は、過去の光合成の産物を、今の作物の栽培に加える新しい生態系の見方です。

別の土地の光合成の営みを、今の耕地の作物の営みに付加できるかもしれません。

過去の光合成が、時空を超えて今の光合成に移転できるかもしれません。

炭素肥料は、全地球表面で営まれた全ての光合成と生命の営みを、今の耕地に蘇らせる所作です。


炭素肥料は、身の回りの有機物の分解しやすい成分を、作物が吸収できる程度の有機物に切断したものです。

中には分解できない成分もあります。しかし、原料を適切に選定することで、全体として有益な資材として利用されています。

膨大な過去の蓄積が、今に蘇ります。膨大な過去と現在の生命の営みが未来の生命を支えます。


膨大な過去の光合成資源を、今の光合成の営みに付加することは、今の耕地の食糧の生産性を飛躍的に高めます。

今の耕地の生産性を倍増させることで、広大な余剰耕地が発生します。

今の最大の水需要は、農業用水です。耕地面積が減少することで水需要を大幅に低下させることができます。

何気ない膨大な社会資本投資に大きな割合を占めるのが農業です。


炭素肥料は、膨大な過去、広大な全地球表面の光合成と生命の営みを、限定された「今の耕地での光合成」へ移転する斬新なものの見方です。

時・場所・品目・・・全てが解き放たれて、膨大な過去が今と未来の営みに蘇ります。

それが光合成移転農法です。

     過去 ⇒ 現在

   過去+現在 ⇒ 未来

時(過去・現在・未来)と空間(全地球・耕地)と種(全生物・栽培品目)とを光合成が移転します。


なお、光合成移転農法(PTA法)・炭素肥料・エネルギー肥料・有機圏内炭素循環というような概念は、あまりにも具合が良い現象を解釈する一つの見方として導入した自然観です。しかし、これまでに広く知られている科学的な知見、化学的な知識に照らせば、必ずしも、可能性がない見かたとは言い切れず、むしろ、正しい自然観と思えるものです。

また、光合成移転農法(PTA法)・炭素肥料・エネルギー肥料・有機圏内炭素循環というような概念の妥当性とは別に、是非、その原因となっているあまりにも具合が良い現象については、遍く、真似てほしいと希望します。

堆肥化や、糞尿、雑草の直接施用という粗大有機物の施肥では、有機物の供給ができなかったとみられます。

似て非なるものでした。吸収できるほどの低分子量化、がポイントです。


3.豊富な実績:家畜糞尿の生石灰処理と圃場還元(〜1900〜1980〜)

光合成移転農法・炭素肥料は、家畜糞尿の生石灰処理と圃場還元や過去の様々な実績や事実から想到した一つのものの見方です。

その意味では、豊富な事実によって裏付けられたものの見方です。

およそ、1980年頃から行われている「家畜糞尿や植物残渣の生石灰分解とその圃場還元」では、次のような大変具合のよい現実が続いています。

* 完全殺菌

家畜糞尿や有機廃物に生石灰を混合して、10分ほどの攪拌によって、完全な殺菌が行われています。また、その反応生成物は通風乾燥後、粉末状の固体となり、「有機石灰質土壌改良材」として殆どすべての作物に施用効果のある資材として用いられています。

* 殆どの品目

水稲、穀物、根菜類、果菜類、葉茎菜類、果樹、樹木、花卉、苔等ほとんどの作物や植物の生育によい影響を与えています。この土壌改良資材の使用を前提に栽培が組み立てられています。

* 劇的効果

収量の増加、食味の向上、連作障害の抑制、老木の若返り、酸性土壌のpH矯正等何らかの効果があり、先ず、施用することが良い結果をもたらしています。そのため、高額な資材代金にもかかわらず、利用され続けています。

* 資材の種類

NPKの肥効成分を持たない有機石灰質土壌改良資材として利用されています。

* 併用資材

作物の生育に要するNPK等の肥料成分は、従来通り、NPKの化学肥料によってその全量を補います。NPKの削減にはなりません。

* 厳禁資材

堆肥や他の有機質資材との併用はできません。他の石灰質資材との併用もできません。この土壌改良資材を使用する場合は、これらの資材は障害を及ぼします。

* 高い糞尿処理費

生石灰による家畜糞尿処理は、高額です。糞尿の重量の15%程の生石灰を添加します。

* 高い土壌改良資材費

生石灰による家畜糞尿処理の費用を耕種農業に転嫁するとすれば、NPKの主要肥料の購入費の3〜10倍というような高い費用になります。しかし、耕種農家が、施用効果の高さのために生石灰処理費に見合う資材費を負担しています。このため、このリサイクルは30年を経過して利用範囲を拡大しています。


当サイトは、従来「有機石灰質土壌改良資材」として用いられている資材の織り成す効能を、「炭素肥料」という見方で、新しい生態系や農業の姿を概観しています。

しかし、その炭素肥料は、従来は「土壌改良資材」という見方をされていた資材です。即ち、光合成移転農法・炭素肥料という見方は、従来利用されていた有機石灰質土壌改良資材の別の側面と言えるべきものです。

上記のように、水稲〜果樹、苔等ほとんどの植物(蒸散を行う植物)の栽培において、何らかの好ましい効果を奏するのであれば、生育している土壌環境を整えて当該植物の生育を促すという土壌改良資材というよりは、「肥料」という側面からの評価が正しいかも知れません。

このため、炭素肥料の豊富な実績は「有機石灰質土壌改良資材」として利用した時の実績です。従って、「肥料」を意識した利用とは、やや趣を異にする点があります。

そうではあっても、従来の実績は、経済的により優位になる、とおいう現実に基づく結果であり、「土壌改良資材」と「肥料との見方の違いはあっても、農業をより良くするという視点においては軌を一にするものです。


4.炭素肥料は農業のこと。しかし、その影響は遍く社会の基盤に及ぶ

炭素肥料の考え方と実績は、殆どの作物において収量を激増させ、且、食味を改善します。その結果として、効率的な農業ばかりでなく、広大な余剰耕地を生み出します。

今、私たちは一人1,00〜4,000uもの耕地の産物を食べています。収量が倍増すれば、一人当たり500uもの余剰耕地が出現します。

今日、社会に占める農業の割合は低く、いくら改善してもその影響は微小です。しかし、一人500uもの余剰耕地が出現すると、その活用が大きな意味を持ちます。

たとえば、この余剰耕地の活用如何では太陽や風力による発電によって、今日消費しているエネルギーに近い再生可能エネルギーを生産できます。即ち、「食」と「エネルギー」との双方において、今の水準に近いものを継続して確保できる可能性が生まれます。

ピークオイル、化石燃料の枯渇、資源の減少、自然破壊等と地球規模での成長の限界と文明のクラッシュが声高に叫ばれる中で、持続可能な社会を具体的に提案するものは皆無でした。

光合成移転農法は、農法でありながら、最も影響を及ぼすものは、農業以外の社会の根本かもしれません。


5.簡単な所作:有機物の生石灰処理で殺菌と同時に炭素肥料が生成

家畜糞尿や有機廃物を生石灰で分解処理することは、簡単な処理工程です。

その生成物を乾燥して固体粉末とする工程も簡単です。しかし、簡単な処理工程で炭素肥料が生成し、また、使いやすい資材となるために遍く利用するには便利です。

反応剤の生石灰は、世界中に遍く存在し、どの地域においても高品位の生石灰が得られます。砂漠のような乾燥地帯は別として、世界中で家畜が飼育され、その排泄物は適正に処理されることが望ましい風潮になっています。

家畜排せつ物には、膨大な量の感染性病原体を含まれています。それらが未処理のまま廃棄されると土壌汚染、水質汚染、大気汚染などのさまざまな環境汚染に繋がります。多くの環境汚染は、汚染が始まっても、直ちに被害が顕在化しません。汚染が発現するまでに長い潜伏期間を伴う汚染は、汚染が顕在化した後は、長い期間汚染が続きます。それだけに被害は甚大です。

畜産先進国のフランスでは、国土の1/3は畜産排せつ物の地下浸透により、地下水を飲用できません。

今日、大動力と強力な輸送網で遠隔地から飲用水を輸送することは簡単です。しかし、もし、今の輸送網がなければ、人の住めない広大な死の大地となっても不思議はありません。その意味で、家畜排せつ物を完全に殺菌することは計り知れない重要な意味を持ちます。

生石灰処理では、生石灰を添加された原料は速やかに完全に殺菌され、菌類、細菌類、ウイルス等全ての感染性病原体は生命としての機能を消失し、低分子量有機物に転換されます。

炭素肥料の製造では、炭素肥料を生成することが肝要です。しかし、同時に原料に含まれる感染性病原体が分解して消滅することは好都合です。

一般には、比較的高純度の有機化合物を合成して、それを炭素肥料の原料として用いるよりは、家畜糞尿、野菜くず、雑草、食品残渣という、従来は有機廃物と思われていた物質を原料に用いる方が経済的です。

従来からの家畜排せつ物の処理フローの一例を示します。

たったこれだけの所作で、ある種の有機炭素が今の光合成にと合体して作物に取り込まれます。様々な有機物を、植物が吸収できる形態の有機物とすることで、炭素肥料が生成されます。最も簡単なことは、糞尿や有機廃物を生石灰で分解することで、蛋白質、核酸、生体膜等を分解し、殺菌と同時に炭素肥料が生成します。


6.従来:堆肥や生糞尿の施肥では炭素肥料はほとんど生成していない

家畜糞尿や植物残渣を耕地に施用することは、昔から行われています。それは、今日では、NPKやミネラルの補給という視点で是認されています。ただ、生の糞尿をそのまま圃場へ施用することは、悪臭が漂うことから、汚物感をなくするために「堆肥化」が励行されています。

堆肥化によってNPKの成分量が増加することはありません。光合成移転農法では、この行為を効果的ではないと考えます。

蛋質、核酸という巨大有機物が圃場に施用されても、作物は吸収できません。生体組織が分解するときに放出されるNPKあるいはミネラルの成分が生体組織から解放され、作物が吸収できる状態になる、と解されています。

その結果、作物に取り込まれる成分は、NPKおよびミネラルと理解されています。有機廃物から肥効成分を取り出し、活用することはそれなりに有意義とは言えます。しかし、今日、NPKは化学肥料によって安価に大量に供給できます。

光合成移転農法・炭素肥料の見方は、このような有機廃物の「有機物」が作物に取り込まれ、有機物としての炭素・酸素・水素およびエネルギーとを利用することを意図しています。

家畜糞尿や生ごみを

  1) そのまま圃場に捨てる

  2) 堆肥にして圃場施用する

  3) 生石灰分解してから圃場利用する

と、3つの方法で圃場利用しても、一般的には「大差ない」と考えてしまいます。

結局は、原料物質が最終的に同じ用途に用いられており、物質収支からしても、相違を見出しにくいといえます。この一般的な見方が、明らかに現実と異なっていました。

炭素肥料とすることで、糞尿の価値が堆肥の100倍も跳ね上がっています。それは、NPK等の肥効価と、炭素肥料の価値の差異です。

従来の堆肥化、生糞の利用など巨大有機物を施肥する利用形態では、有機炭素化合物(COH)のリサイクルは考えられていません。NPKやミネラルを中心としたリサイクルを想定しています。このことは、実体と適合した正しい理解であり、その点では何ら邪なものではありません。ただ、NPK等の資材は、現在十分安価な化学肥料等の供給手段があり、他の手段で十分な供給がなされています。

PTA法・炭素肥料は、NPKやミネラルはさて置き、今の太陽の営みでしか実現できない光合成に関して、過去の膨大な光合成産物である有機物を低分子量化して、今に蘇らせる考えです。

NPKを利用するか、有機COHを利用するかは、ケースバイケースで適宜選択されるべきものです。多くの場合、炭素肥料として有機COHを活用することが、より大きな効果を奏するといえます。


7.耕地の収量の推移 :江戸⇒現在⇒PTA法

耕種農業の形態と農地の生産性の推移を、上の図に示します。大雑把なものです。厳密なものではありません。

【江戸時代】

江戸時代、とあるのは、科学的な見地からの必須養分元素の解明やNPK等の化学肥料の普及がない時代の農業という意味です。

日本でいえば、江戸時代はほぼ全部が含まれます。この時代の耕地の生産性は低かったといえます。この時代、耕地の生産性を律していたものは、NPK等の必須養分元素、と考えられます。そもそも、NPKの化学肥料の無い時代です。NPKの不足のために、十分な収量を高めることができませんでした。

【慣行農法】

およそ、1900年頃、科学的な知識の進歩によって作物の生育にはNPK等の必須養分元素を適切に補給することが望ましいと判り、それぞれの成分の資源が調査され、肥料として普及しました。

特に、窒素は空気中に多量にあるため、暴発する人類の食糧危機を救うため、「空中窒素の固定技術の開発」が世界的な関心事になり、ハーバー・ボッシュ法として完成を見ました。

これによって、農業の生産性が飛躍的に高まり、約1世紀前から現在の収量水準に達しました。それが、慣行農法です。その後の農業生産の向上は、「単位面積当たりの収量の向上」ではなく、動力の巨大化によるところが大きいといえます。即ち、化学的な進歩ではなく、機械・電気的な進歩による耕地面積の拡大による食糧の増産でした。

NPK化学肥料の普及で農地の生産性が飛躍的に向上したことから、江戸時代の農業ではNPKが不足していたということが裏付けられます。

今日、世界中の地域が調査され、多量のリン鉱石、カリ鉱石が採掘され、また、大規模に空中窒素が固定され、NPKの化学肥料が潤沢に供給されています。少なくとも、今日の日本のような先進国の農業では、NPKが欠乏するような栽培は稀有です。

NPKを中心とする必須養分元素の潤沢な供給の下での栽培で、その収穫量を律するものは「日照」といえます。日照は、簡単に増加できません。

稀に海面の反射光を利用できる地域もありますが、限定的です。反射シートを利用するとしても果樹に制限されます。人工照明も可能ですが、しかし、膨大なエネルギーコストを考えると経済性に劣ります。

慣行農法は、NPK等の必須養分を補給するものですが、その結果は、其々の地域の「日照」が律する最大の収量に到達するための所作と言えます。即ち、慣行農法における耕地の収量は日照が律していると考えられます。しかし、慣行農法は江戸時代の耕地の生産性を倍増させました。

【PTA法・炭素肥料】

およそ1980年ころから、家畜糞尿のような有機廃物を生石灰で分解して、その残渣を土壌改良資材として圃場に利用することが行われました。

「家畜糞尿に生石灰を混ぜて圃場還元すること」は、遥か昔から実施され、その結果として「圃場を壊してしまう」と思われていました。

このため、有機廃物の生石灰処理とその残渣の利用は、概ね、若い初心者が試みて、失敗に終わることを常として、そして、多くの専門家の常識としては、必ず、圃場を壊し、暫時、作物を栽培できない荒地と化してしまうものとされていました。

1980年というのは、このころ開発された特異な生石灰処理が、幸運にも、圃場を壊すこともなく、また、処理費以上の施用効果があり、継続して処理が行われ、継続して圃場へ利用されました。

処理費以上の収益を上げるべく、収量が増え、また、食味が改善して、結果的に特異な処理費を穴埋めするするに足る経済効果を生み出しました。

その後、さまざまな改善がなされたにせよ、概ね、1980年ころから、ようやく家畜糞尿の生石灰処理が継続して利用できる技術となりました。

汚物感が漂う、というよりも汚物そのものの家畜糞尿が、生石灰と混合した後、約10分ほどの攪拌操作で殺菌され、また、脱臭もなされ、その後の乾燥工程はあるにせよ、好適に運用される限り、処理費用以上の効果を生み出し、結果として、感染性病原体を含有している家畜糞尿が経済的な負担がなく、殺菌ができます。

また、耕種農業においても、それ相応の効果があり、利益を生み出しました。

この施用効果は、次のものです。

1) 対象品目: ほぼ全ての作物において好ましい効果を奏する(水稲、蔬菜類、果樹、芝、樹木、花卉など)

2) 施用効果: 収量の増加(通常は50〜100%〜)、食味の改善、連作障害の抑制、老木の若がり、酸性土壌のpH矯正等

3) 種目  : NPKを含まない有機石灰質土壌改良資材として使用する。NPKはその全量を他の化学肥料によって補う。

4) その他 : 堆肥や有機物資材との併用を厳禁する。他の石灰資材との併用を厳禁する。

5) 備考   : ほとんど全ての品目で、本土壌改良資材を利用することが、収益の向上につながる。

6) 施用量 : 水稲<600s/10a、  蔬菜類・果樹1〜3t/10a、  等

7) 特記事項: この施用量は、NPKの主要な肥料の代金の3〜10倍にもなる異常な高額なものです。

          しかし、その異常な事態が続いています。

勿論、収量と関係しない植物にも施用されています。このため一概には言えないまでも、収量が大幅に増加し、収益の上昇に貢献しています。

水稲の施用量が600kg以下に制限されているのは、実りすぎて倒伏し、却って、収益を下げるためです。お茶や葉茎菜類のように、実りすぎて枝や茎が折れることがない作物では、大幅な増収となっています。このことは、本件土壌改良資材を「肥料」と考えて、より多く施用し、効果を大きく発現させることで、収量を倍増させることは十分可能性のあることです。

【PTA法の収量の制限要素】

PTA法による栽培も、当然、その収量には限界があります。

今日の土壌分析、施肥設計、肥培管理の技術水準では、NPKなどの必須元素の欠乏はほとんど考えられません。

仮に、炭素肥料の利用によって収量が増加した場合であっても、生育の状況を見て、適切な追肥ができます。また、翌年以降は、増加した収量を前提とした施肥設計がなされるために、成分の欠乏は少ないでしょう。

そして、炭素肥料により作物が有機物を吸収、同化することで、炭素肥料は光合成を助勢するような働きをし、収量を高めます。

しかし、炭素肥料による作物に対する有機物の供給量は、施用量とともに水分の吸収、蒸散にもよります。

水分の吸収と蒸散による水流は、土壌の養分吸収に大きな影響を持ちます。

このため、炭素肥料を利用した栽培においては、従来の「日照による制限」の他に、水分の吸収と蒸散による土壌成分の吸収と搬送能力とが作物の収量を左右する大きな要因となるものと思われます。

慣行農法においては「日照」が制限要因であったとすれば、炭素肥料を利用した栽培では、「日照や湿度、温度、風速等のいわゆる風土の持つ性質」が制限要因となるものといえます。

即ち、慣行農法に比べて、制限要因が「風土という総合的な要因」が支配すると思われます。

しかし、概ね、慣行農法に比べて収量が2倍程度になるものと思われます。


8.PTA法:炭素肥料:有機圏内炭素循環という新しい生態系の姿

  

 全ての生物は、光合成によって支えられてます。光合成によって生まれたブドウ糖の生理的熱量(food energy)によって全ての生命が突き動かされています。

太陽を幾つも増やしたり、地球に空気を入れて風船のように膨らませて地球を大きくすることはほとんど不可能です。今の光合成をむやみに増やすことは難しいかもしれません。

しかし、炭素肥料の考え方で私たちの関係する生態系を豊かにすることができるかもしれません。殆ど不要になった有機物を適切な術で炭素肥料に転換すれば、有機炭素のまま、再び、作物として、食糧として生態系の出発点に戻って生態系を流れるかもしれません。

光合成移転農法は、「有機圏内炭素循環」という新しい生態系を提案します。食物連鎖の最上位にあるヒトの活動が、生態系を乱しているように思えます。最上位のヒトが増えて、活動領域を広げるならば、本来、より下位にあるものを増大させる必要があります。しかし、今、ヒトにその配慮はありません。

もし、ヒトの活動を増やすのであれば、ヒトは自前の工夫で自らが必要とする物質やエネルギーを準備しなければなりません。炭素肥料は、ヒトが必要以上に増大するのであれば、それなりの配慮で、自ら必要な生態系を構築することを提案します。

家畜糞尿や雑草、食品残渣等の多様な有機廃物は、低分子量化すれば殺菌と同時に炭素肥料になります。そして、有機炭素は再び、有機炭素のままで作物に取り込まれ、ヒトのための餌となります。

炭素肥料は、今の太陽、今の地球のままで、ヒトが必要とする食糧を大幅に増大させる試みです。光合成移転農法は、生態系の基本的な構図を、ヒトにとっては殆ど無用な有機廃物を活用して、健全な生態系を維持するものです。


9.光合成移転農法:エネルギー肥料という新しい概念

光合成移転農法は「エネルギー肥料」という新しい概念を提起します。

「エネルギー肥料」は、「炭素肥料」以上に奇異に感じる言葉かもしれません。

(是非、1ヶ月後にもう一度、「エネルギー肥料」についてこのサイトを閲覧することをおすすめします。3度目ほどで目の前が開けてきます。)

私たちは、農業や肥料に関して「物質収支」を念頭に置いて考えていました。植物の必要とする必須養分元素は、通常、炭素、酸素、水素、窒素、カリウム、リン、カルシウム・・・モリブデンの16種とされています。そして、光合成で獲得できない窒素、カリウム、リン以下の13元素を施肥対象元素として考えてきました。

実際の耕種農業の現場では、NPKの3元素が圧倒的に重要な地位を占めていました。カルシウム以下の元素が問題となることはまれであり、カルシウムは普遍的に存在する安価な肥料元素です。このため、NPK以外の必須元素が耕種農業で重要な地位を占めることはほとんどありません。

炭素肥料は、COHの3元素を従来の肥料元素に追加して施肥する考えです。その意味では「物質収支」の範疇に含まれるかもしれません。

自然界で活動する限り、誰もが、何事であっても「エネルギー収支」は厳密に順守している事柄です。仮に、より多くの収穫を希望するのであれば、全ての所作が物質収支の上でも成り立っており、更に、エネルギー収支においても成り立っています。

より多くの収穫には、より多くの収穫には、より多くの物質とより多くのエネルギーとが作物に供給されなければならず、そして、より多くの物質とエネルギーとが圃場から収奪されることになります。

より多くの収穫は誰しも希望することです.しかし、栽培中の作物に対してそれに相応しい物質とエネルギーとが供給されなければなりません。

願望が先行することは、常識です。それを非難するものではありません。しかし、人間の常識と、自然界の常識とは違います。

炭素肥料は、作物にある種の有機物を吸収・同化させることを意図しています。有機物は酸化によって燃焼熱を発生します。この熱量が、ある意味でエネルギー肥料としての効能です。生物が、生命活動のために発生する熱量は「生理的熱量」といわれています。英語では、Food energyです。勿論、燃料で用いられる「発熱量」の値がそのまま適用できるものではないでしょう。有機物の形態によって同化の過程での代謝エネルギーの消費の度合が異なることが予想されます。しかし、有機物の吸収は、元素としての炭素・水素あるいは酸素などを取り込む以外に、生理的熱量・food energyを同時に取り込んでいることが容易に類推できます。

光合成移転農法では、単に、物質収支の観点から「炭素・酸素・水素」を新たに施肥元素に加える他に、有機物の吸収が「エネルギーの吸収」でもある、との視点を提案します。

このことで、光合成移転農法は、自然界の全ての営みで順守されている「物質収支」「エネルギー収支」の双方を的確に視野に入れた農業を推進できるものと考えます。

このように、光合成移転農法の視点に立てば、従来の農業では「物質収支」「エネルギー収支」という自然界の掟に対して配慮が足りなかったといえます。

【ダイエット】

日頃から、適切な管理を行っている方なら、ダイエットなどは無縁な事柄です。 しかし、ダイエットを気にする人も多いのも事実です。

1日の摂取カロリーを1800kcalとか、2000Calとか、それぞれ目標を定めて、食事の量を調節します。 「コメ100g350kcal」「ハクサイ100g12kcal」というような値から、摂取量を計算します。 コメでも、ハクサイでも果物でも、食べた段階では、その熱量は生理的熱量(food energy)として等しい尺度で計算できます。 このことは、普通のことでなにも不思議はなく、誰でも知っている事柄です。 しかし、食べたときに等しい尺度で計算できても、コメとハクサイは別物です。

このダイエットにおける生理的熱量の計算は「消費段階の生理的熱量の等価性」といえます。

そして、これまで全く認識されていなかったものに「生産段階の生理的熱量の等価性」です。

「炭素肥料」=「エネルギー肥料」の出現によって、生産段階においても生理的熱量の等価性についても視野に含まれてきます。

エネルギー肥料が、仮に100kcalの吸収可能な有機物のエネルギー(生理的熱量)を持つものであれば、どのような作物に対しても、100kcalに相当する生長を促すことができる可能性があるといえます。その生長量に基づく経済的な価値は、品目によって異なります。しかし、炭素肥料、エネルギー肥料の持つ経済的な価値を計量的に評価する上で、大変有益な考え方となります。

判りやすい例でいえば、「家畜糞尿を生石灰処理した時の吸収可能な低分子量有機物の熱量が1000kcal」であれば、それを施肥することで作物の全身を「約1000kcal」分だけ生長を促進させる可能性があることです。

勿論、完全な等価性を意味するものではなく、あくまでも大凡です。

光合成移転農法は、自然の法則に対して忠実に従うことを提案するものでもあります。


10.光合成移転農法から、作物の美味しさの作り方が見えた!

誰しも、美味しい物には目がありません。

同じ食材・作物で、美味しいものとそうでないものとがあれば、誰でも美味しいものを望みます。 

作物を栽培する人は、例外なく全員が美味しいものができるように心血を注いでいます。 しかし、現実には、確かに美味しいものが生産されている一方、そうでないものも生産されています。 

美味しいものと、そうでないものとを収穫するための所作についての定説がありません。 耕種農家ができることは、あまり多くはありません。NPK化学肥料、有機肥料・・・くらいなものです。

しかし、光合成移転農法から、美味しい作物を栽培するコツが見えてきます。

植物は、光合成で得たブドウ糖(炭水化物)の約1/3を代謝エネルギーとして消費し、約2/3を植物体を構築する物質に用いられているとされています。 

もし、光合成が活発に行われ、「2倍のブドウ糖が生産された」とすれば、当該植物は2倍に近い生長を遂げるものと思われます。 

通常の作物であれば、収量が倍増して、「大豊作」の状態と思われます。 昔から、豊作の年の作物は何でも美味しい、といわれてきました。 

光合成移転農法では、光合成以外の経路で、有機物を吸収します。 

即ち、炭素肥料の吸収です。 作物が有機物を吸収し、ATPのエネルギーによって同化した場合、炭酸ガスを光合成で獲得するよりは少ないエネルギー消費で作物が生長するものと推測されます。  即ち、炭素肥料として有機物は、元素の他にエネルギーを持っているために「ヘスの法則」からすれば、そのように推測されます。 

その結果、炭素肥料による栽培ではATPの消費が少ない生長となっているはずです。 ATPの原料はブドウ糖です。ブドウ糖1モルは38モルもATPを発生します。その転換効率は55%といわれています。 ATPの消費が少なければ、ブドウ糖の消費が少なく、作物のブドウ糖濃度は高い状態となっていると推測されます。 ブドウ糖濃度が高い状態は、甘い状態であり、美味しい状態とされます。

【美味しさと同時に旺盛な生長がある】

そして、活発な光合成は、活発なブドウ糖の産生に繋がります。 その結果として作物が旺盛に生長するのであれば、ブドウ糖濃度の高さが作物の生長を促進しているものと思われます。 

即ち、ブドウ糖濃度が高い状態は、作物の同化速度(代謝速度)が促される状態であり、作物が旺盛に生長する状況でもあります。 その結果、旺盛な生長と美味しさとは一体不可分であり、旺盛に生長している作物は、概して、美味しい状態となっています。 

作物のブドウ糖濃度を高めるには、光合成を活発に促進させるか、有機物の吸収によってブドウ糖(ATP)の消費を抑制するか、いずれかの方法があるものと思われます。 

日照を増加する場合には困難性が高い場合が多く、炭素肥料によって作物に有機物を与えることが手軽です。


11.光合成移転農法は幅広い分野に影響を及ぼします:農業以外の分野が遥かに大きい

光合成移転農法・PTA法は、明らかに農業に関する一つのものの見方です。 それ故、農業分野に関連します。 しかし、今日では、多くの人は飢餓に瀕することもなく、日々、十分な食事を得ています。農業が頭をよぎることはありません。農業とは、殆どの人には無縁な事柄かもしれません。

● 江戸時代

ほぼ全ての人がその日の糧を得るために額に汗していました。 大地から得られる食糧で充足できるだけの人がいました。 今よりも遥かに人口が少ない時代でした。 電気もエンジンもなく、1人力だけの世界でした。

● 南の島

南の島では、タロイモを食べ、その茎を地中に埋めておけば自然にタロイモは育ちます。 食べることに額に汗することもありません。今でも、その風土は保たれています。 1人力でも、ゆったりと生活ができる世界がありました。 兎角、四六時中労働に勤しむことを美徳とする思想も散見されますが、そのような考えが妥当ではない地域もあります。

 産業革命

化石燃料を利用して、大きな動力を手にしました。1馬力は5人前。しかも、動力は疲れを知りません。人工頭脳もできました。今日、30馬力、50馬力の巨大な動力が唸りをあげて、休みなく、別に、苦情を言うこともなく働き続けています。 そして、豪州のような地域では、一つの営農単位が3500ha(約6km四方)の耕地面積であり、地平線にまで広がる大地を人工衛星を頼りに無人で駆け巡ります。人は、時々、ちょっと一瞥すればよいだけです。

そのようにして、今日では、額に汗することもなく、食べきれない食糧が生産されています。

今の科学技術は、一人の人間の頭脳で、多数の機械と電子頭脳を駆使して広大な耕地を耕し、10万人分以上の仕事をすることは簡単です。勿論、他の産業ではもっと巨大な動力を自由自在に操作して、遥かに合理的な仕事が行われています。

 飢餓は政治問題

今日、一人約1000uの耕地の農産物を食べているとされています。 仮に、それが米の生産であれば、合理的な栽培では「2時間の労働時間」でしかないものとなっています。 即ち、一人が1年間に要する食糧を、一人の人間が2時間働くことで生産しています。 そのような社会で飢餓が生じることは、明らかに政治の問題であり、技術の問題ではありません。 技術は十分に豊かな社会を提供しています。

 農業問題は、「食」ではなく「職」の問題として歪曲化されている不幸な時代

そのような中で、時折、農業問題がクローズアップされます。 しかし、食糧は既に手軽に大量に生産されています。 今日の食糧問題は、ほぼ人口の100%を占めていた農業という生業が、産業革命によって限りなく「ゼロ」に近づくことによって職を失うために生じているだけです。 「食」が減って困る問題ではありません。今日の農業問題は「食」ではなく「職」の問題となっています。

● 誤解

農業に関する話題は、「飢餓」でもないかぎり無縁と考えられています。 ほぼ全員が日々三度の食事をして、むしろ、過食による「肥満」で困っている人が遥かに多いでしょう。 そのような人にとって「農業」は「補助金」「税金の垂れ流し」だけの迷惑千万な話題でしかありません。 ほぼ、誰もが無関心です。 この現状が誤解を生んでいたかもしれません。

 一人500uの余剰耕地!

農業は、「一人の人間を養うために約1000uの農地を必要とする」という生産性です。 仮に、農業の生産性を倍増させることができれば、一人に500uの余剰耕地が生まれます。 この面積は広大です。 この広大な余剰耕地を活用すれば、今、化石燃料から生み出しているエネルギーに相当するエネルギーを自然エネルギーから生み出すことができる可能性が生まれます。

 有り余る現金 ・ 輝ける未来を描けない ・ トップリーダーがいない

今、世界の経済が停滞しています。 久しく停滞しています。 そして、世界中に「現金」が溢れています。 行き場のない現金です。 この状況をいろいろ解説することはできるでしょう。 しかし、解を持たない解説は、時間と紙面の空白を無駄に埋めるだけの栓でしかありません。 そのような「駄目」を埋めるためだけの議論が高速・大容量の情報網を猛烈に飛び交います。 勿論、何の意味も、価値ももちません。

一つの見方として、「完全に明るい将来の姿が見えない」「文明の展望がない」という状況です。 気体の分子運動を見るような世界のあり様で、単に、右往左往しているにすぎません。 その右往左往によって、資源を浪費し、文明の命脈を自ら短縮しているにすぎません。

ピークオイルを過ぎ、進歩し、暴発する文明と、枯渇する化石資源と、その狭間で折り合いをつける術が見当たらないのです。「堅実な未来に対する投資先」がないのです。

電気自動車になっても、化石燃料の枯渇は「ドライブを楽しむ」という時代の到来は想像できません。精々、自転車です。 また、日がな一日、PCゲームで楽しんでばかりはいられないでしょう。 TVの厚い・薄いの差異で解決できる問題でもありません。 情報が瞬時に駆け巡っても、何の価値もない時代です。 情報が高速・大容量となっても、社会の構造はそのままであり、情報が飛び回る価値すら見いだせないないほど、社会も、産業も固定化され、例年のスケジュール通り、同じことを繰り返すだけです。 そこに、高速大容量の情報の価値は一つもありません。

現金をして、動く宛がない時代に、情報が駆け巡っても何の価値もありません。 価値の無い情報が無駄に光速で方々に駆け巡るだけです。 経済が停滞し続け、現金が有り余る現象は、輝ける未来を誰も描けない証左です。 人と情報とが無駄に右往左往して、無駄に浪費しているだけの時代です。

 光合成移転農法の視点

PTA法は、食とエネルギーとにおいて、文明に持続可能な命を吹き込みます。 膨大な過去の光合成の名残の有機物を炭素肥料として今の栽培に付加することで、耕地の生産性を飛躍的に高めます。 

耕地の生産性の向上で生まれる余剰耕地で、太陽や風力を利用した永続性のあるエネルギー生産を可能とします。 世界中の幅広い地域において、食とエネルギーと地場生産によって相当量を充足できることは、人々に安寧をもたらします。

PTA法は、異国の地を、今のように「富を収奪するための荒野」と考える必要性を軽減します。

其々が、自らの地域をPTA法によって整えることで、食とエネルギーとを賄い、永く自立可能な社会を構築することが共通の目的であることがハッキリします。その上で、其々の地域の特性を交流することで豊かな社会を創造できます。

光合成移転農法は、ほとんど分子運動論に近い混迷した社会に、共通の目的を提供するものです。その意味において、近代文明において、どこからも否定されにくい唯一の未来に対する具体的な道標といえます。

● 農業は単なる入口

光合成移転農法は、「農法」ですが、それは、単なる入口です。 全ての人が、歩みを向ける道程といえるものです。


12.時空を超える光合成

光合成移転農法は、光合成を、時間・空間・種の全てにおいて、それを統合し、過去は今に生かし、今を未来へ繋げるものです。

 数億年の過去から、数億年の未来へ

 地球全体から、栽培中の耕地へ

 植物、動物、生物全体の有機物を、栽培中の作物へ

 過去を、今の食糧の生産、生命の存続のために

 過去の営みをヒトの餌とすることで、他の生態系の破壊を防ぎ、自然を豊かなものに戻す

 今の炭素肥料が、未来の食の生産の礎になり

 時空と種の全てを、過去から未来へ結合する、空想を超える自然観が光合成移転農法です。

PTA法は、膨大な有機物が、低分子量化で炭素肥料として作物に加算されます。

膨大な過去の光合成が、今の光合成に蘇ります。

炭素肥料の生産は、既に食糧の生産に他なりません。


13.関連する分野と簡単な関係

光合成移転農法(PTA法)が関連するさまざまな分野を簡単に列記します。

日々の食事に関係するため全員に何らかの関連がある事柄です。

■ 畜産: 家畜糞尿の完全殺菌・・・処理経費以上の経済効果

炭素肥料を製造する方法の一つとして、家畜糞尿の生石灰処理があり、家畜糞尿が完全殺菌され、そして、その経費以上の経済効果となるために、適正な計画の下であれば、家畜糞尿が利益をもたらします。

■ 耕種農業: 殆どの品で、何らかの効果があり、利用され続けている

耕種農業は、水稲、穀物、蔬菜、果樹、花卉、芝、茶等多様な品目に及びますが、簡単な所作で、収量増、食味の改善、連作障害の抑制、果樹などの老木の若返り等何らかの効果があり、炭素肥料を用いることを前提とした栽培が良い結果をもたらしています。

従来の結果を真似るだけであっても、殆どの品目で継続して炭素肥料が利用され続けています。

■ 肥料: 炭素肥料+NPK化学肥料 (C:NPK=3〜10:1)

炭素肥料が、肥料の主体となっています。必須元素の含有比率に応じた肥料構成であり、当然の結果ともいえます。

PTA法の特徴の一つに、肥料の簡略化があります。 従来のNPK化学肥料と炭素肥料とを組み合わせるだけで大方の品目が栽培できます。 堆肥、有機配合肥料、他の石灰質肥料は併用する必要はなく、PTA法の下ではむしろ障害を与えます。 微量要素も格別の欠乏症が発生しない限り使用しません。その意味で、肥料の種類が少なくて便利です。 炭素肥料以外ではNPK化成肥料、追肥用NK化成、NPK単肥があれば幅広い土耕に対応できます。

■ 高緯度農業: 炭素肥料は高度農業に大地の太陽を与える

PTA法は炭素肥料によって光合成を移転します。 日照量の少ない高緯度農業は生産性が低く、不味いものとされていました。しかし、炭素肥料によって実質的に日照が付加されるために、耕地の生産性を高め、美味しさを増進します。 光合成のリサイクル・炭素肥料を意識することでハッキリと浮かび上がる全く新しい農業の見方です。

 陰性植物: 炭素肥料は陰性植物の生育を増進する

作物の陰性・陽性に着目した肥料はありません。 陰性植物は光合成量が少なく、生長が遅い植物です。 しかし、炭素肥料として有機物を吸収することで、陰性植物の生育を増進することが予想されます。

陰性・陽性に着目した肥料は、炭素肥料が初めてです

陰性植物には、朝鮮ニンジンやワサビや苔があります。 苔は、「西芳寺(苔寺)」や国歌(君が代)「・・・苔の生すまで」にあるように生長が遅く珍しいものといえます。

■ 環境保全: 糞尿の完全殺菌と脱臭

家畜糞尿には膨大な量の感染性病原体が含まれています。 これらが10分ほどの反応操作で完全に殺菌されます。

蛋白質、核酸、生体膜の分子レベルでの分解のため、殺菌、脱臭されたものは再び汚染源、悪臭源にはなりません。

■ 余剰耕地: 生産性激増による余剰耕地の出現・・・今、一人1,000〜4,000uの耕地を食べている

幅広い品目で収穫量が増加すると、広大な余剰耕地が出現します。 今の耕地の生産性からして、一人当たり500uもの余剰耕地が出現することが予想されます。この面積は、社会に大きな変化をもたらします。

 食味改善: 収量の増加と食味の改善が一体となって現れる・・・しかも、生産費は安くなる

PTA法の特徴の一つに、収量の増加と同時に食味の改善があります。農産物は食料である以上、美味しい方が望ましく、消費者から歓迎される要素を含んでいます。全ての社会活動の牽引力は、消費者の希望・願望であり、それに沿うものがPTA法です。消費者から歓迎されて受け入れられる素地があります。

 健康: 美味しく低カロリーの食材の増産

耕種農業の産物は、概して低カロリーです。 しかも、多くの場合、美味しいと評価されています。 作物を食べる頻度が増せば、摂取カロリーはやや低下し、肥満を抑制して、本来の体型に維持されやすくなります。 同時に、体の健康が維持されやすくなります。

 開拓・自然破壊: 広大な余剰耕地は環境破壊、自然破壊を抑止

PAT法は、押し並べて耕地の生産性を激増させます。 その結果として、一人当たり500u(世界平均)もの余剰耕地が出現する可能性があります。 農地を増加させる社会的需要は消失したといえます。

 経済圏: 耕地の生産性向上は小さい経済圏を指向

耕地の生産性が飛躍的に高まれば、消費地近郊の農地が活性化します。 消費地の近郊で農産品が生産されるために、フードマイレージが小さくなり、経済圏が狭くなります。 狭い経済圏は省エネです。

 途上国: 人力作業が価値を増す

NPK化成肥料と炭素肥料は、耕地の生産性を飛躍的に高めます。 狭い耕地であっても必要な食糧が得られます。 人力作業が農耕を支えている途上国であっても、C+NPKの肥料があれば農耕の負担が大幅に軽減します。 収穫物の美味しさと作業の軽減とで幅広い地域において、生活の向上を実感できると思います。

■ エネルギー: 一人500uの耕地面積は、太陽や風力などの再生可能エネルギーで地域が自立することを意味する

一人当たり500uの土地があれば、現在、平均的に消費している石油エネルギー相当の再生可能エネルギーを生産できることを意味しています。 このことは、現在の社会から無駄を取り除き、必要なものを残した程度の文明を長く維持できることを示唆しています。

 未来: 光合成のリサイクルは未来を豊かにする

光合成移転農法(PTA法)は、過去の光合成を今の光合成に付加します。 また、過去と現在の生命活動を炭素肥料として固定して、保存し、蓄積して、未来に送り届けることができます。 光合成のリサイクルによって、今日の食糧の生産ばかりか、未来を豊かなものとします。 日照は、天候によって左右されます。 しかし、炭素肥料によって収穫量の半分あるいはそれ以上を賄うことができれば、予期し得ない気象変動に対しても、より安定して食糧を確保することができます。

「直ちに食べることができる食糧の保存」の他に、「生産性を確保する炭素肥料としての保存」も重要な意味を持ちます。

 潤い: 観葉植物

花をめでる人は多く、花や植物は生活に潤いをもたらしています。 室内は日照が少なく生息環境としては苛酷です。 炭素肥料は、光合成を増幅します。 また、炭素肥料は、完全に殺菌されており、脱臭済みです。室内で安心して利用できる肥料です。

 投資: 現金が余り、マネーゲームが吹き荒れるのは、「未来社会のビジョンを描けないから」

地球規模で経済が沈滞し、現金がだぶつき、マネーゲームだけ狂奔しています。 石油、資源の枯渇を迎え、持続可能な未来社会のビジョンが描けないためです。 今、世界的にリーダーが不在です。文明に対する明るい希望がありません。 PTA法は、世界中の多くの地域が、食と再生可能エネルギーとを継続して地域内で確保できる可能性を示唆しています。 世界中の多くの地域で、安定した未来への投資のあり方がハッキリと展望できます。 即ち、世界の資金が適正に循環し、多くの人を支え、多くの人の活動が豊かな未来を構築します。 マネーゲームを非難するのではなく、正しい目標を与えるのがリーダーの役割です。

PTA法は、その具体的な所作を与える殆ど唯一のものです。


14.図表のファイルをご利用ください

当サイトに使用した図表を取りまとめたファイルを添付します。光合成移転農法(PTA法)は、簡単な話です。 ザッと図面を一瞥するだけで、概ね主旨は御理解いただけるはずです。どうぞ、ご利用ください。


15. コメントやご意見など

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・PTA法(光合成移転農法)は、次のサイトにもテーマを特化して記しています。

宮崎の口蹄疫に関連して      http://www.geocities.jp/c_npk

エネルギー肥料に関連して http://www.geocities.jp/enelizer3

植物から見た光合成移転理論」を新たに追加しました。


サイト編成

トップエネルギー肥料植物から見た光合成移転理論第2章PTA法の糞尿処理第3章PTA法による栽培第4章PTA法の考え方第5章化学式で見るPTA法第6章低分子量有機物第7章光合成移転農法第8章PTA法のまとめ第9章PTA法の基礎知識第10章PTA法からの視点第11章有り得ない選択・PTA法第12章作物の美味しさについての一考察第13章PTA法の有機物吸収の考え方第14章炭素肥料が理解されない理由第15章PTA法サイトの図面集PTA theory is recycling ofphotosynthesis, carbon fertilizer and energy fertilizerツイッターのためのPTA法・光合成移転農法PTA法とランドラッシュ・第三の道か?ゲストブックにログイン